年上の彼氏。

「あたしも帰りたぁい!!」

生徒会室のソファに飛び込むなつこさん。


「頑張ってください、皆も頑張ってやったんだから」

あたしはなつこさんと話ながらも黙々と仕事をこなしていった。

宮下先生との約束の時間は6時半…

今の時間は…6時20分。

「なつこさん、あたしはあと5分でここ出るからね」

駐車場まで歩く時間を考えるとそんな時間に行かなきゃ行けなくなる。


「えぇ〜!なんでー!?」


驚いて、ムクッ!と急に起き上がったなつこさん。

「ちょっと今日は早めに帰ろうかと思って…」


「ふ〜ん…」


納得してないようになつこさんは頬杖をついてる。


「よしっ!!今日のノルマ達成」


あたしは後ろの方に大きく伸びをした。

鞄を持って、ドアの方に向かう。


「じゃあ、あとはよろしくね。なつこさん」


「ほいほーい」


あたしはドアを開けると、なつこさんに向かって手を振った。

なつこさんは寝転がった体勢であたしに気の抜けた返事をした。


あたしは急いで職員駐車場に向かった。

着くと、まだ宮下先生の姿は無くあたしは胸を撫で下ろす。


数分後、後ろから声が聞こえた。


「お待たせしてすみません、天宮寺さん!」


振り返ると宮下先生が息を切らして慌てて駆けてきた。


「大丈夫ですよ。今さっき来たところです」


「じゃあ、車こっちなので…」


宮下先生の後ろをついていくと、先生は1台の黒い車の前で立ち止まった。

そして、スーツのポケットから車のキーを取り出し車に乗り込んだ。


「どうぞ、乗ってください」


あたしはいよいよ、宮下先生の車に乗り込んだ…
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