年上の彼氏。

†手料理†

１

「え、いいんですか？」


あたしの言葉に先生は目を丸くして驚いた。


「先生が良ければ…」

そう言うと、先生は申し訳なさそうに


「じゃあ、お願いします」

と頭を下げた。

あたしは笑顔で承諾すると、制服のブレザーを脱ぎシャツの腕を捲った。


「任せてください！」


あたしは冷蔵庫にあるもので作れるものを作った。

その間に、先生は奥の部屋に入っていってしまった。

数分後、スーツから私服に着替えた先生が部屋から出てきた。

スーツ姿ももちろん、凛々しいけど、私服姿もまた新鮮だった…

あたしはキッチンから先生のことを眺めていた。

その時だった…！

いきなり左の人差し指に激痛が走った。


「痛っ………！」


よそ見をしていたから包丁で指を切ってしまっていたのだった。

あたしは怪我をしていない右手で左手を触った。

そして、あたしの異変に気づいたのか先生が心配して駆け寄ってきてくれた。


「どうかしましたか？」


「あ、ちょっと切ってしまっただけです…」


あたしは苦笑いで先生に言った。すると、先生は血相を変えてあたしの手をとった。


「切っただけって、すごい血が出てるじゃないですか!?」