年上の彼氏。
†ドタバタ!?†
1
『卒業生の皆様は講堂にお集まりください―…』
ザワザワと慌ただしくなっている校舎内にアナウンスの声が響く。
そう、今日は卒業式。
今まで頑張ってきた成果を発揮する式当日。
あたしたち生徒会は正装をして腕に生徒会と書かれた腕章を付けて校舎内を慌ただしく駆け巡っていた。
「会長!卒業生の入場のタイミングはどれくらいですか!?」
「会長!!在校生の椅子が足りません!!」
色んな所からあたしを呼ぶ声が聞こえる。
あーっ!!
もう、忙しすぎるっ!!
あたしはだだっ広い校舎内を行ったり来たりしていた。
「こんなときに、湊はどこ行ってんのよ!?」
あたしは指示を出しながらも、今日重要な役割を任されてる副会長さんを探していた。
すると、どこからともなく――――…
「湊様!!一緒に写真を撮りませんか?」
「いいですよ〜☆」
卒業生の女子集団に紛れ込んでいる湊を見つけた。
アイツ〜!
人が走り回って探してたのに、何してんのよっ!!
あたしは沸々と怒りが込み上げてきた。
その禍々しいオーラに気づいたのか、湊の視線がこちらに向いた。
「姫っ♪」
あたしの気など知らない湊はニコニコ笑顔で恥ずかしげもなく手を振った。
「ちょっと、何やって…」
そう言いかけた時、湊を囲んでいたお姉様達があたしの方を一斉に見た。
あたしはその光景にびくっとしてしまった。
そして、近づいてきたかと思うと…
「「悠姫様!!」」
目を輝かせたお姉様達があたしを取り囲んだ。
な、何事!?
あたしはその状況を読み取れなかった。
「写真を一緒に撮ってくださいませんか!?」
「へ…?」
あたしの口からは間抜けな声が溢れただけだった…。