年上の彼氏。
3
「会長!」
そう呼ばれたあたしはその声の主を確認する。
そこには、湊の姿があった。
「どうしたんですか?」
お偉いさんの前ということで、湊に対しても敬語で接するあたし。
それに対して慣れてるような湊も淡々と話す。
「先ほど、理事長が会長を呼んでましたよ」
にっこり笑顔でいう湊。
「わかりました。では、すみませんが、この辺で…。本日は誠におめでとうございます」
あたしは挨拶を済ませると湊と校舎内に向かった。
「で、理事長がなんであたしを?」
校舎内に入ってから湊に用件を聞いてみた。
もしかして、また仕事を任されるのかなぁ〜…。
「ん?あれ、ウソ」
釈然とした素振りで言う湊は憎たらしい笑顔を見せた。
「はぁっ!?なんで、嘘なんかついたのよ!」
あたしは思わず湊の胸ぐらを掴み怒号を浴びせた。
すると、その気迫に全く押されない湊がちょっと微笑んで言った。
「挨拶回り疲れてるかなぁって思って♪」
…っ!?///
あたしは見透かされていたとわかるとみるみる内に顔が紅潮していった。
な、んでっ…コイツ分かったの!?
あたしはまだ訳が分からずあたふたしていた。
そんな、あたしを見てまたふっ、と笑う湊。
「な、何が可笑しいのよっ!?」
あたしはついつい喧嘩腰で突っかかる。
「いやぁ、姫は分かりやすくて可愛いなって♪」
ぐぁっ…!!///
な、な、な、なっ!
コイツ…よく軽々と恥ずかしいセリフが言えたもんだ!!
あたしはほとぼりが未だ冷めない顔を手で覆った。
そして、そんなあたしの耳元でヤツが囁いた。
「なんで、分かったかって、いつも姫を見てるからだよ♪」
誰か、コイツの口を塞いでくださいっ!!
あたしは心の中で叫んだ。