契約の婚約者
「留学を許可した時の条件を覚えているわよね?」


「----覚えてるよ」


「帰国した後、パパの会社に入るか、パパが決めた方と結婚するって約束したわよね?」


「…………」


「ママは片桐さんならあなたを任せられると思ったのよ。他の男の人じゃあなたを飼い馴らすことなんて到底無理だもの」


さすが沙希の母親である。


ある意味当たっている。


「パパは今すぐ結婚しろとは言わなかったわ」


往生際が悪いが、沙希も負けじと応戦する。



時間を稼がなければいけない----




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