契約の婚約者
「何、しているの?」


全く驚く様子もなく、沙希は冷静に尋ねる。そんな沙希の反応も分かっていたのか、片桐も平然と答える。


「見れば分かるだろ?風呂に入っている」


「----何で?」


「終わった後、すごい状態だったからな」


「ヘンタイ。やることがいちいちオヤジ」


沙希の肩に顔を置く片桐の顔を咎めるように横目で睨んだ。


沙希の悪態にももう慣れたのか、片桐がクスクス笑っている。首筋や肩にかかる息がくすぐったい。


「中々意識を戻さないから風呂でも入ればすぐに目が覚めるかと思ったが、流石お前は図太いな?」


「そういう問題?」


「嫌だったか?」




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