契約の婚約者




「----イヤ?」




ではない……


寧ろ、無意識に心地良いと思ってしまった。



何を?



お風呂が?


それとも片桐に抱きしめられていることが?


どうして自分は怒らないんだろうか?


普段の沙希なら、こんな勝手なことをされれば、相手を張り倒していただろう。


このままでいたいと思ってしまう自分がいる。



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