契約の婚約者
「んん……沙希、どうしたっ?」


急に激しくなる沙希のキスに片桐が戸惑うように唇を離す。


「ねぇ、何でかな?カタギリさんの腕もキスも心地がいいの。何度しても全然足りないや……」


そう言って沙希は片桐の首筋から鎖骨へと唇を滑らした。


「痛……っ」


鎖骨に強く吸い付いたかと思うと、片桐が痛みに肩を揺らす。


「沙希、噛むな……」


片桐の片手が沙希の顎を捉え、咎めるように唇を指でなぞる。


「何か、セックスしたいわけじゃないけど、すごく触りたい……」


「----だからって噛むなよ」


「だって欲しいんだもん。噛みたくなる……」


「お前は本当に本能に忠実なヤツだな?」


片桐がくしゃっと顔を綻ばせ、沙希の頬に軽くキスをする。


そんな顔をされると、やっぱりおしりの辺りがムズムズして、身体中に噛み付きたくなる。



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