契約の婚約者
「///そ、そんなことより!」


沙希のペースに乗せられそうになり、奈央はハッと我に返る。


「片桐さん、何で金曜の夜、沙希の部屋に来たの?」


「クス。さぁ?久しぶりにセックスしたかっただけじゃない?」


「そんな感じじゃなかったわ!何だかいつもと雰囲気が全然違ったし……」


「何、片桐に未練でもあるの?」


「ちがうわよっ!沙希誤魔化さないで。修もあの二人は怪しいって言ってたし……」


話を上手く交されそうになり、奈央は一生懸命沙希に食いつく。


「何であいつにそんなこと言われなきゃいけないのよ?あいつは団地の主婦か?」


「はぁ……私何で酔いつぶれちゃったんだろ?あの夜にちゃんと聞いておけば……」


「それは奈央がお酒に弱いからでしょ?」


「うっ……」


問い詰めているはずなのに、どうしても奈央の形勢の方が不利になる。



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