契約の婚約者



-------……



2時間後----



沙希は片桐の腕の中で、荒くなった呼吸を整えていた。


身体が思うように動かないのか、身体は片桐に預けたままだ。


首筋や肩口にキスを落とす片桐を、沙希は気だるそうに見遣る。


「カタギリさん、お腹すいた。ご飯温めて?」


愛しい婚約者の腕の中で、沙希は至極当然といった顔で片桐を促す。


「…………」


つい数分前まで自分の腕の中でかわいく喘いでいたのは幻かと、片桐は目を細めた。



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