契約の婚約者
「もしかして、片桐の家を継ぐことが条件なの?」


「まぁ、そんなところだ」


「カタギリさんはそれでいいの?」


「構わない。しばらく自由に遊んだしな……それに片桐を思いのままに動かすのも面白そうだ」


「カタギリさんらしいね~まっ、頑張って」


沙希は自分の為に片桐の自由が犠牲になるとは考えない。


ましてや、申し訳ないなどと殊勝な感情もない。


寧ろ、自分と結婚できるのだからそれくらいして当然といった感じだ。


そんな強い女だからこそ片桐が惚れたのかもしれない。



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