契約の婚約者
「沙希?どうした、余所事か?」


「----え?あぁ……カタギリさん、まだいたの?」


「お前は失礼なヤツだな……」


またあの目だ。どうしてそんな困ったような、遠くを見るような、そんな目をするのだろうか。



片桐はよくわからない。


でも、居心地は悪いが、嫌いではない。



「ねぇ、カタギリさん、私、美人でしょ?しかもすごく」


ふと沙希が片桐と向き合って尋ねる。


「あ?まぁな……美人だな」


「スタイルもいいし、最高の抱き心地でしょ?」


前かがみになって迫るように片桐に跨る。


「???そうだな……」


「頭もいいし」


その最高の抱き心地の身体を片桐に絡める。


「沙希……っ……」


そして、わざと片桐の上で腰をゆらす。



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