契約の婚約者
3.原因
定時になり、沙希が総務部を出ると、エレベーター前に修一が立っていた。
チッ……嫌なヤツと出くわした、と独りごちする。
「よう、沙希。今帰りか?」
「ええ。修一は残業?」
「まぁな。奈央も今日は早く上がらせるつもりだ」
「へぇ、もう亭主面?」
また、だ。あのムカつきがこみ上げてくる。
「そんなんじゃねぇよ。あいつ、昨日倒れたし……」
それでも、夜には押し倒して朝までコースだったんだろうが、と呆れるが、阿呆らしくて何も言わなかった。
チッ……嫌なヤツと出くわした、と独りごちする。
「よう、沙希。今帰りか?」
「ええ。修一は残業?」
「まぁな。奈央も今日は早く上がらせるつもりだ」
「へぇ、もう亭主面?」
また、だ。あのムカつきがこみ上げてくる。
「そんなんじゃねぇよ。あいつ、昨日倒れたし……」
それでも、夜には押し倒して朝までコースだったんだろうが、と呆れるが、阿呆らしくて何も言わなかった。