契約の婚約者
5.戸惑い
日曜日の午後。
沙希は予定外の訪問客と山のように積まれた結婚式場のパンフレットに頭を悩ませていた。
その訪問客は、沙希の憂鬱も知ってか知らずか、優雅に紅茶をすすり、「やっぱりアッサムよりセイロンの方がいいわね」と沙希の入れた紅茶に難癖をつける。
沙希に対座し、氷の微笑をたたえて圧力をかけてくるこの女性。
一条十和子-----
沙希の母親である。
ヴェルサーチのスーツに身を包み、上品な笑顔を貼りつけているが、その迫力は、さすが沙希の母親だけあって半端ない。それが、年齢を思わせないほどのキレイな顔立ちであれば尚更だ。
片桐のことだけでも頭が痛いというのに、これ以上やめて欲しいとパンフレットの山を睨む。
沙希は予定外の訪問客と山のように積まれた結婚式場のパンフレットに頭を悩ませていた。
その訪問客は、沙希の憂鬱も知ってか知らずか、優雅に紅茶をすすり、「やっぱりアッサムよりセイロンの方がいいわね」と沙希の入れた紅茶に難癖をつける。
沙希に対座し、氷の微笑をたたえて圧力をかけてくるこの女性。
一条十和子-----
沙希の母親である。
ヴェルサーチのスーツに身を包み、上品な笑顔を貼りつけているが、その迫力は、さすが沙希の母親だけあって半端ない。それが、年齢を思わせないほどのキレイな顔立ちであれば尚更だ。
片桐のことだけでも頭が痛いというのに、これ以上やめて欲しいとパンフレットの山を睨む。