その恋が終わるまで
「本田君!またデートしようね・・・」
俺に追いついた間宮は俺の制服を掴んで言った。
「は?やだ。」
「え~!良いじゃんか!明日とか、明後日でも良いよ?」
「何焦ってんだよ、あと一ヶ月ちょいで冬休みだろ?どうしてもってんなら冬休みに・・・」
「駄目だよ。」
俺の言葉を遮って間宮は言った。間宮のこんな平淡な声を俺は初めて聞いた。
「・・・何が駄目なんだよ。」
「冬休みじゃ駄目。・・・今じゃなきゃ駄目なの・・・」
間宮はどこか寂しく悲しげに呟いた。
「間宮・・・?」
「・・・えへ!だから明日は街の展望台行こうよ!」
間宮はいつもの笑顔の間宮に戻っていた。だけど俺はあの寂しそうな顔が頭から離れなかった。
「・・・しょーがねーな。」
「ありがとう。本田君。」
間宮の笑顔がどこか悲しそうで俺はそれ以上見てられなかった。