その恋が終わるまで
間宮の家の近所から展望台へはやや遠くて、着いた頃にはもう辺りは薄暗く展望台に来ている人の数は少なかった。
「わ~私、展望台初めてだから嬉しいなぁ!」
でも、間宮はそんな事関係ないようで子供のようにはしゃいで外を見ている。
「俺も久しぶりに来たな・・・展望台。」
「そうなんだ!」
「ああ、母さんがよく連れて来てくれたよ・・・」
「お母さんが?」
「・・・ああ、俺の父さんは俺が生まれてすぐ死んだから。」
なんでこんな事を間宮に言ったのか分からない。ただ口が勝手に言葉を発していた。