Buonanotte!
ピストルの唄
――――――。
気がつけば視界は真っ暗。
どうやら気を失ってる間に窓のない部屋に閉じ込められたみたいだ。
「頭いてぇー・・・。」
フラフラと立ち上がるのでやっと。
格好悪いなぁ、本当。
と、ドアが開いて光が差し込む。
眩しくて僕は目を細める。
「ハロー。」
とりあえずご挨拶。
さっきはよくも殴ってくれたな。
「・・・君は?」
男は尋ねたから僕はフラフラしながらも笑った。
多分上手く笑えてないだろうな。
引きつってるよ絶対。
「殺し屋。」
僅かに男が目を見開いた。
「・・・亜桃を殺しに来たのか?」
「まさか。」
「僕かい?」
「さあね。」
殺してやりたいけどね。
「なら何の用だい?」
「誰かを殺すためじゃないぜ?死ぬためでもない、楽しく生きるためにさ。」
僕はお気に入りの黒いポケットに突っ込んだ左手を取り出した。
愛用のピストル。
パンッ!
乾いた鋭い音に男が怯んだ隙に僕は精一杯走った。
待たせて、ごめん。