急に手を握られた。
その上からそっと
ひざかけをかける。

思わず藤田君の顔を見ると
いたずらっぽい顔で目を合わせてきた。

ふざけてるん?
せやったら何か喋ってよ。
目で訴えたものの
彼はすぐに前を向いてしまう。
結局到着するまでの15分ほど
私たちはずっと手をつないでいた。

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