蝶
見慣れた道に差し掛かった。
あと5分もあれば
3人のマンションに着いてしまう。
「なあ三澤くん、
齋藤さん先送ったげた方が良くない、
三澤くんも往復せんでいいしさ。
なあなあ、おーーーい、」
三澤くん、フル無視。
「三澤くーん、三澤さーん。」
ひたすら、フル無視。
「おい三澤。」
「お前うるさいから先降ろす。」
ちっ。
隣の私に聞こえるか聞こえないか
というくらいの舌打ち。
マンションが立ち並ぶ、
見慣れた景色。
次の角を曲がったら…