その日は一日中ふわふわしていた。

わざわざ半分出席した憲法の授業も
まったく出る意味はなかったし

お昼も大好きな鳥から丼だったのに
ろくに味わいもしないまま残したし

スペイン語もぼーっとしていて
ルイスに散々説教されたし

とにかく私らしくなかった。

思い出すのは、あの感触。
少ししめっていて熱っぽくて。
切ない表情、すぐそばで聞いた息づかい。

そしてあのお誘いメール。


とにかく、
会ってみないことには
わからないと思った。

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