蝶
「見てあのホテル。
お城みたい。笑」
少しの沈黙を破るように
藤田くんは窓のそとを指差した。
「ほんまや!きれー!」
「行くか?」
にやっといたずらっぽく笑う。
ついに来た…
あたしは言葉が出なくて
一瞬固まってしまう。
「アホか!冗談じゃ!
お前みたいなちんちくりんと
行くとこじゃないからな!」
「え…あ…なんなんですかー!
からかわんといてください!」
あれ?冗談?
じゃあなんでラブホ街に?