「ほら、ついたぞ。」

山道の端に車を停め、
藤田くんは外に出た。
あたしはあわてて追いかける。

さむ…

身震いしたら
顔をマフラーで覆われた。

「!!!」

「なんでお前マフラーないねん。
アホやな。これ巻いとけ。」

タバコと香水が混ざった
少し甘い香りがして
あたしはまたドキドキした。


ここどこ?
山道の階段を登り始めた彼に
ひたすら付いていく。
辺りは真っ暗で怖い。



< 52 / 60 >

この作品をシェア

pagetop