Love Pierrot





いい加減にしてほしいよ…



なんて口に出来ないけど心の中で怒りを上げていて。



席に着けるわけでもないのに、あたしは自分の席に近づいて机に置いてあるカバンを手に持つ。



「帰んの?」



急に聞き覚えのある声が聞こえて、ふと後ろの席を見れば…成宮くん。



その反応に驚いた女子達は一瞬であたしの方を見て、睨みをきかす。



「あー…うん、体調悪くなっちゃって」



あたしは言い訳をこぼして教室を出ようとした。



まさか成宮くんから話しかけてくるなんて思わなくて…心臓が持たなかった。



咄嗟の嘘を見破ったのか、平然とした顔であたしに言葉を返す。



「へぇ。つーか、こいつが帰って来たんだからソコどけよ」



…あたしに返した言葉かと思えば。





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