蝶々結び
「昔、ある女の子がいました・・・・」




亜悠花の家は昔、とても笑い溢れる幸せな家庭だった。

優しい両親と仲の良い妹・弟がいて、家は父親が社長ということもあり、普通よりも裕福なほうだった。


そんな亜悠花が中学3年の時、不幸が突然訪れた。

父親の会社が経営難に陥ったのだ。


優しかった父は酒を浴びるように飲むようになった。


父の奇声や物を壊す音が、毎晩隣の部屋にいる亜悠花に恐怖を与えた。

多分、この頃父はアルコール依存症になっていたのだろう。



そんな日が何日も続き、耐え切れなくなった母親は父と話をしようと部屋へ向かった。




でも、それが事件の引き金となった。

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