蝶々結び
「ん?どした?」
優田はまぬけな顔で私の顔を覗き込んだ。
「何でもない・・・。」
そう言って優田を殴った。
「いってーな!!」
私の気持ちなど知らずに無邪気に笑う優田。
・・・こいつを可愛く思ってしまう自分がムカつく。
優田は昨日のことについては何も触れなかった。
いつもと変わらず笑っている優田からは、私に気を使ってくれているのが伝わってきた。
「亜悠花って、誕生日いつ?」
「何?急に。」
「いいじゃん。教えてよ。」
「7月10日。」
「まじ!?もう過ぎてんじゃん!!」
「7月10日はー、妹の誕生日でー。」
「もー!!ちゃんと教えろよ~。」
「・・・9月25日。」
「今度は弟の誕生日?笑」
「私のだよ!!」
「そっか♪」
優田は何かたくらんでいるような顔をしていた。