蝶々結び
また今日も、いつものように黒板には私の過去が書かれていた。



そんな時だった。

後ろから固まった女の子グループの会話が聞こえてきた。

そのグループは誠也の取り巻きだった。

その中にいた

「佐原 真穂(サハラ マホ)」が言った言葉が聞こえた。





「次は何て書いてやろっか。」





その時、私の中で何かが切れた。


張っていた糸が、ビン!と音を立てて切れたように。





「キャーーー!!」




教室に女の子の声が響いた。


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