蝶々結び

「うおー!!さみー!!」


お店から出ると、肌に突き刺さるような冷たい風が吹いていた。

隣にいる優田はマフラーに顔を埋めながら鼻をすすっている。



外はまだ5時前なのに暗くなっていた。



「ぎょうばぼうがえるがー。」



優田は冷たさで口の筋肉が動かないのか、ハッキリと発音出来ていなかった。



多分、「今日はもう帰るかー。」
って言ったんだと思う。



「そうだねー。」

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