私と私。
男用の私






校門に着くと、孝明は車の外に出て煙草を吸っていた。



孝明に気付かれないよう、小さなため息をついてから、


「ごめん孝明ー!!寒かったでしょ?」


笑顔で走り寄った。


寒いのは私のこの態度。



「全然待ってないよ。
晴香が風邪引いちゃうといけないから、早く車乗りな!!」



そう言って満面の笑みを浮かべ、煙草を消し、助手席のドアを開けてくれた。




本当、男なんてちょろい。
< 10 / 47 >

この作品をシェア

pagetop