私と私。
男用の私
校門に着くと、孝明は車の外に出て煙草を吸っていた。
孝明に気付かれないよう、小さなため息をついてから、
「ごめん孝明ー!!寒かったでしょ?」
笑顔で走り寄った。
寒いのは私のこの態度。
「全然待ってないよ。
晴香が風邪引いちゃうといけないから、早く車乗りな!!」
そう言って満面の笑みを浮かべ、煙草を消し、助手席のドアを開けてくれた。
本当、男なんてちょろい。