私と私。
「なんかさ…わかんないんだよね。
友達だとか、恋だの愛だの。
一緒にいると疲れるんだ。
藍も孝明も、嫌いじゃないし、好きでもないんだと思う。
自分でもよくわかんないけど…」
高橋は、煙草を地面に押し付けて、消した。
「でも、それでも結局一緒にいるんだろ?
多分だけど…お前、淋しがりなんだよ。
誰かの側にいないと不安なんだろ。」
「そうなのかな?
でも、孝明とは別れなくちゃいけない。
あいつ、本当いい奴だから、私なんかと付き合ってちゃいけないんだ。
私なんか、好きになっちゃだめなんだよ。」
孝明は大きくため息をついた。