私と私。
「でも、今日のお前は、誰よりもかっこよかったと思う。」
黙って聞く事しか出来ない。
「お前は、必要とされてないって言ったけど。
長谷川も、元彼も、お前の事が好きだから今まで一緒にいたんだろ?
まだ会ったばっかりだけど、俺もお前の事嫌いじゃないし。」
「妹の事、気付いたのは、お前が初めて。
その事を話したのもお前が初めて。
お前にしか話してないんだから、俺が相談出来るのはお前だけ。」
「うん…。」
高橋は私を抱きしめた。
「今日くらいは、胸貸してやってもいいけど。」
そう言って、思いきり泣かせてくれる高橋は、優しいね。
私は、精一杯高橋の胸で泣いた。
藍も、孝明も、高橋も。
ありがとう。
素直になれるように、頑張るから。
高橋…本当にありがとう。