私と私。




学校から少し離れた河川敷。



高橋は、あまり人目につかない芝生に座り込んだ。




冬の朝の河川敷に、人はいないのに。



とりあえず私も隣に腰を落とした。



一定の距離をおいて。






「悪い、いきなり。」



ぽつり、高橋は言った。



「散々私も話聞いてもらったから。
気にしないで話して。」



高橋は黙る。



何か思い出しているんだろうな、と直感がした。



妹と何かあったんだろう。




「長くなるけど。」


「任しといて。」



私は、笑ってポケットから煙草を取り出し、高橋に差し出した。
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