私と私。

隼人side




昨日。



それは昨日の出来事で。



いつか訪れるであろうと思っていた現実は、あまりにも早く訪れた。






◇◇◇◇◇◇




家に帰ると、見慣れた小さな靴と。



見たくなどないのに、見慣れてしまった大きな靴と。



もう二足と。




そして、なにやら真剣な声と、嫌な予感。



「おかえり隼人。」


リビングのドアが開き、出迎えてくれたのは、母さんで。



「ただいま。」



「加川さん達来てるわ。
隼人にも大事な話があるから早く上がって。」



母さんは、どことなく嬉しそうで。




あぁ。逃げ出したい。



こんな場面は、真由に付き合って見る昼ドラでよくあるだろ。



聞きたくない。



俺から、大事な人を奪わないでくれ。