私と私。




おかえり、と。


その場にいるそれぞれが、にこやかに俺に言った。



真由も、あの男も。


誰もが幸せそうに微笑んでいる。


俺の気持ちに、気付きもしないで。




座りたくない。


逃げたい。



そんな事を思っても、ただいま、と微笑んで。


空けられた場所に座るしかないわけで。



これから話されるであろう事実から、目を背けたい。



真由。そんな顔、しないでくれ。
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