私と私。
言葉が出ない俺。
真由の話しは、頭にスーっと染み込んでくるようだった。
「まぁそんな感じかな。
ごめんね、長々と。」
「いや…。本当よかったな。
あいつなら、絶対真由を幸せにしてくれると思う。」
また後でね、と部屋から出て行った真由。
なぜだか自然と口から出た言葉。
胸の奥の方で詰まっていたなにかが取れた。
自分でもよくわからないけど、真由の話しを聞いてから、よかった、と自然に思う事が出来た。
真由の事を、ずっと好きだったはずなのに。
悔しいとか、奪いたいとか。
そんな感情は、もう出てこなかった。