私と私。
私には孝明という四歳年上の大学生の彼氏がいる。


好きなわけでもないけど。

今日はバイトが休みだから学校まで迎えに来てくれるんだって。




◇◇◇◇◇◇


誰もいない放課後の教室で孝明を待っていると、廊下で声が聞こえた。



「今日は夜食べて帰るからいらないってお母さんに言っといてね。」


「伝えとくけど…あんま遅くなんなよ?」



廊下をこっそり覗くと、そう言って女の子の頭よしよししている…高橋がいた。



「分かってるー!!本当隼人はお母さんよりお母さんみたいだね!!」



微笑みながら女の子は歩き出した。



「俺は真由の事を心配して言ってんの…」


そう言って高橋は、愛しそうな目で玄関に向かう女の子を見ていた。
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