髪、触っていいですか?
桜並木が綺麗な学校だ。
と、思ったら桜の木の枝折れてるし。
誰だよ。
可哀想、桜。
「ねーーー、なんかあの5人組って良い感じじゃない!?」
紗騎そう言って指をさした方にはチャラチャラしたやつらがキャッキャ言いながら歩いてた。
「あー、一番右の奴は前髪2センチ切れ。真ん中はメッシュ入れるなら金でしょ。つーか、茶髪が絶対似合うのになんで蛍光色なの?あの左2人は!!!」
あー!
イライラする。
「まぁまぁ、人さまの頭はどうでもいいじゃん」
「よくない!見てると気持ち悪いッ!」
あー、無理無理。
「ぁ?俺らが何だって?気持ち悪いだと?」
げっ
関わりたくないタイプ。
「いやいや、そんなことあたしたちは言ってませんけど。ねぇ?るか」
「うん。全然ねぇ?」
ヤバいんじゃない?
ヤバいんじゃない?
「あーそーかい。ならいいわ。新入生来るって聞いたからいじめようとしたけど女相手はちょっとな?行こうぜ」
「あー、良かった」
「ちょっとー。完璧るかの所為だよ」
「ごめん。ごめん」
声がデカかったかな。
「あーーー!!イケメン!」
「あー、はいはい」
「ちょっと話しかけに行ってくる」
「あー、はいはい。ぇ?」
走って行っちゃった。
どーしよう。
とりあえず枝の折れた桜の木まで歩いてみた。
「うわー、誰だよ。折った奴」
そう言った瞬間風がぶわーーっと吹いた。
その時あなたが見えなかったらあたしはどうなっていたのだろう。