蜘蛛の糸










 ...ガタッ






 音がした

 、その方にはあの『坂本さん』がいた







「あ、ご、ごめんな...さいっ」







 あたしの瞳には

 肩を震わせながら謝る彼女の姿だった







 ――― ああ、そっか







 あたしは希と仲がいいから怖い存在なんだ、

 ...彼女にとって















「 怖がらないで 」











「、え?」





「希は坂本さんをいじめてるけど

 根は悪い子じゃないの。




 いじめを止めなかったあたしにも非はある。
 


 でも、あたしは坂本さんのこと嫌いじゃないし、いじめるつもりもない。

 




 ...だから、安心して」








 






 坂本さんの綺麗な黒髪が揺れ





 白い頬には

 透明な、粒が流れ落ちた













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