"好き"、と言って下さい
不器用な先輩
―――放課後
あ、誰かが笑顔で走ってくる。
・・・・・・・彰吾先輩ですね。
「楓ちゅわーん」
「何ですか?」
怖いです、先輩。
今日は一段と・・・
「俺、好きな人いるんだ」
「そうですか」
「だからさ、楓ちゃんに相談聞いて欲しいんだよね」
うわぁ、よかった。
先輩って、好きな人いたんだ。
これで私は解放される。
「で、相談って?」
「その子、俺にまったく興味ないみたいなんだよね」
あらら、それはドンマイですね。
「まぁ、いいんじゃないですか?顔目当てで近づく女子よりも」
「それは分かってるけど。冷たいんだよねぇ」