あの扉の向こう側
そんなことを考えながら
ふと時計を見ると7時。

「あ。もうこんな時間だ。」

そう一人呟いてあたしは部屋を出た。

「美央ちゃん、もう学校行くの?朝ご飯は?」

ローファーを履いていると
お母さんが呼びとめる。

「うん。別に家居てもやることないし。
 朝ご飯はコンビニでサンドイッチでも
 買って食べるから。」

そうそっけなく答える。
自分でも思うぐらい可愛げがない。

「そうなの。いってらっしゃい。」

お母さんは寂しげに笑ってそう言った。
ふと見ると、母さんの後ろの
ダイニングの机の上に2人分の
朝食が用意してあるのが見えた。
それを見たらお母さんの寂しげな笑顔が
さらに痛々しく見えた。
そう思いながらもあたしは

「いってきます。」

そう冷たくいい放って家を出た。

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