アジアン・プリンス
(26)白い絹の思惑
ティナに割り当てられた国賓用の宿泊室……特別室は4階、最上階だ。そこまで階段を上がりながら、ふたりは話していた。
その時、ひとりの女官がスザンナの顔を見て駆け寄る。
「女官長。プリンセス・ルシールご一家がご到着されました」
「あら、お早いこと。いつものお部屋、準備は整っていますね」
「はい」
「では、そちらにご案内して」
ティナとそう歳も変わらなさそうな女官は元気よく「はいっ!」と返事をして、深く頭を下げて退いた。
「プリンセス……あの、ひょっとしてプリンス・レイの叔母様にあたる方でしたっけ?」
「ええ、はい。そうでございます。先々代国王の第2王女殿下で、現在はフォスター教育大臣夫人となられておいでです」
「ご結婚されても、プリンセスの称号はそのままなんですね。あ、いえ、隣国の日本だと確か『降嫁』されると称号がなくなると聞いていたので」
その時、ひとりの女官がスザンナの顔を見て駆け寄る。
「女官長。プリンセス・ルシールご一家がご到着されました」
「あら、お早いこと。いつものお部屋、準備は整っていますね」
「はい」
「では、そちらにご案内して」
ティナとそう歳も変わらなさそうな女官は元気よく「はいっ!」と返事をして、深く頭を下げて退いた。
「プリンセス……あの、ひょっとしてプリンス・レイの叔母様にあたる方でしたっけ?」
「ええ、はい。そうでございます。先々代国王の第2王女殿下で、現在はフォスター教育大臣夫人となられておいでです」
「ご結婚されても、プリンセスの称号はそのままなんですね。あ、いえ、隣国の日本だと確か『降嫁』されると称号がなくなると聞いていたので」