アジアン・プリンス
(34)危険に満ちたコテージ
「落ち着くんだ、ティナ。小国とはいえ、我が国の人口3百万人は超えている――その全員を完全に把握することなど不可能だ」
両腕を掴み、レイはティナの顔を覗き込むように言った。
それも、ひと言ひと言区切るようにしっかりと発音して。
「で、でもっ!」
「静かにしないなら、キスすることになる」
レイの目に危うげな光が浮かび、ティナは一瞬で口をつぐんだ。
「いい子だ、お嬢さん。そのままお利口にしていてくれ。わかったね」
ティナが黙り込むと、レイはコテージの奥に姿を消した。
その2分後、一斉に灯りが点る。薄闇に包まれた寒々しいコテージから、大量の光が溢れ出した。
ティナは眩しさに目を細める。
「電気が使えて助かった。ブレーカーが落ちていただけらしい。水道も問題ない。キッチンもシャワーも使える。……お世辞にも綺麗とは言い難いが」
レイはチョコレート色の髪に光のシャワーを浴びながら、ティナの元に戻ってきた。
両腕を掴み、レイはティナの顔を覗き込むように言った。
それも、ひと言ひと言区切るようにしっかりと発音して。
「で、でもっ!」
「静かにしないなら、キスすることになる」
レイの目に危うげな光が浮かび、ティナは一瞬で口をつぐんだ。
「いい子だ、お嬢さん。そのままお利口にしていてくれ。わかったね」
ティナが黙り込むと、レイはコテージの奥に姿を消した。
その2分後、一斉に灯りが点る。薄闇に包まれた寒々しいコテージから、大量の光が溢れ出した。
ティナは眩しさに目を細める。
「電気が使えて助かった。ブレーカーが落ちていただけらしい。水道も問題ない。キッチンもシャワーも使える。……お世辞にも綺麗とは言い難いが」
レイはチョコレート色の髪に光のシャワーを浴びながら、ティナの元に戻ってきた。