アジアン・プリンス
コテージは平屋建てで通路の奥に寝室がふたつある。更に奥には裏口のドアがあり、その脇に電気のブレーカーがあった。
レイはブレーカーを上げた直後、空気を入れ替えるために、寝室のひと部屋は扉も窓も開けたままにしていたのだ。
その部屋に入るなり、レイはティナを下ろす。
そしておもむろに窓を閉め、クローゼットの引き出しからシーツを出してベッドメイクを始めたのだ。
世の中のほとんどの女性は、埃の積もったカビが生えたようなマットレスに押し倒されるのを嫌がるだろう。
その反面、押し倒される情熱を、女性が望んでいることもレイは知っていた。
「さあできたよ、ティナ」
「え……ええ」
レイはティナの声に、微妙な戸惑いを感じホッとした。
ティナが落ち着きを取り戻せば、これ以上のことにはならないだろう。
もし、レイに婚約者がいなければ。レイが皇太子でなければ。マットレスにカビが生えていても関係ない。いや、リビングの埃だらけの床の上に押し倒していたかもしれない。
それ以前に、セラドン宮殿のプールサイドで関係を持っていただろう。
レイはブレーカーを上げた直後、空気を入れ替えるために、寝室のひと部屋は扉も窓も開けたままにしていたのだ。
その部屋に入るなり、レイはティナを下ろす。
そしておもむろに窓を閉め、クローゼットの引き出しからシーツを出してベッドメイクを始めたのだ。
世の中のほとんどの女性は、埃の積もったカビが生えたようなマットレスに押し倒されるのを嫌がるだろう。
その反面、押し倒される情熱を、女性が望んでいることもレイは知っていた。
「さあできたよ、ティナ」
「え……ええ」
レイはティナの声に、微妙な戸惑いを感じホッとした。
ティナが落ち着きを取り戻せば、これ以上のことにはならないだろう。
もし、レイに婚約者がいなければ。レイが皇太子でなければ。マットレスにカビが生えていても関係ない。いや、リビングの埃だらけの床の上に押し倒していたかもしれない。
それ以前に、セラドン宮殿のプールサイドで関係を持っていただろう。