アジアン・プリンス
「私のことと、レイ……殿下のことは関係ないわ……」
一気に立場が逆転した。
途端にチカコは横柄になり、
「関係があるかないか、決めるのはわたくしよ。あなたは」
「いい加減にして下さい、母上」
チカコの後ろから姿を現したのは、ソーヤだった。
今日のソーヤは、海軍らしく白を基調の軍服を着用している。脇に制帽を抱え、礼装の時より凛々しく見えた。
「ソーヤ、あなたは黙っていてちょうだいな」
「僕らが王宮の奥まで出入りできるようになったのは、兄上の……皇太子殿下のおかげです。ここでの振舞いは充分に気をつけてください」
「あ、あなたまで、わたくしを軽んじるおつもり?」
ソーヤは母親の抗議を無視すると、ティナとスザンナに向かって言った。
「呼び止めて悪かったね。母の相手は僕がするので、行って構わないよ」
「あ、ありがとうございます。では……さあ、クリスティーナ様」
ティナはスザンナに押され、裏手からセラドン宮殿に登る道に向かった。
途中振り返った時、こっちを見ていたソーヤはニッコリ微笑んでウィンクをしたのだった。
一気に立場が逆転した。
途端にチカコは横柄になり、
「関係があるかないか、決めるのはわたくしよ。あなたは」
「いい加減にして下さい、母上」
チカコの後ろから姿を現したのは、ソーヤだった。
今日のソーヤは、海軍らしく白を基調の軍服を着用している。脇に制帽を抱え、礼装の時より凛々しく見えた。
「ソーヤ、あなたは黙っていてちょうだいな」
「僕らが王宮の奥まで出入りできるようになったのは、兄上の……皇太子殿下のおかげです。ここでの振舞いは充分に気をつけてください」
「あ、あなたまで、わたくしを軽んじるおつもり?」
ソーヤは母親の抗議を無視すると、ティナとスザンナに向かって言った。
「呼び止めて悪かったね。母の相手は僕がするので、行って構わないよ」
「あ、ありがとうございます。では……さあ、クリスティーナ様」
ティナはスザンナに押され、裏手からセラドン宮殿に登る道に向かった。
途中振り返った時、こっちを見ていたソーヤはニッコリ微笑んでウィンクをしたのだった。