アジアン・プリンス
(45)海に沈む天使
右手のバングルをそうっと撫で、口づけた。
だが目に映る海の色は、その全てがレイを思い出させる。
日本語に続いて英語で船内放送が流れる。フェリーは間もなく海上エアポートに到着すると案内があった。
ティナは足下に置いたボストンバッグを持ち上げようと屈み込む。
その時、隣に5~6歳くらいの少年が走り寄った。
離れていく本島を見て、日本語で歓声を上げる。直後、少年はなんとデッキのフェンスに足を掛け、上り始めたのだ。
(なんて危ない真似を……)
注意しようと思ったが日本語はわからない。英語で話しかけて驚かせはいけない。そう思ったティナは親を探して周囲を見回した。
ティナが目を離そうとした瞬間、少年は足を滑らせフェンスの向こう側に体が傾いた!
「危ない!」
ティナは慌てて少年に駆け寄り、頭から海に落ちそうな身体を掴んだ。
だが目に映る海の色は、その全てがレイを思い出させる。
日本語に続いて英語で船内放送が流れる。フェリーは間もなく海上エアポートに到着すると案内があった。
ティナは足下に置いたボストンバッグを持ち上げようと屈み込む。
その時、隣に5~6歳くらいの少年が走り寄った。
離れていく本島を見て、日本語で歓声を上げる。直後、少年はなんとデッキのフェンスに足を掛け、上り始めたのだ。
(なんて危ない真似を……)
注意しようと思ったが日本語はわからない。英語で話しかけて驚かせはいけない。そう思ったティナは親を探して周囲を見回した。
ティナが目を離そうとした瞬間、少年は足を滑らせフェンスの向こう側に体が傾いた!
「危ない!」
ティナは慌てて少年に駆け寄り、頭から海に落ちそうな身体を掴んだ。