アジアン・プリンス
「ミズ・エリザベス・ジョーンズ、君はここに居るべき人間ではない」
「レイ……大事な話があるの。そんな他人行儀なことを仰らないで。お願いよ」
それはティナとふたりきりのときとはまるで違う……エリザベスは従順かつ艶のある声でレイに泣きついた。
だが、レイの表情は硬く強張ったままだ。
「エリザベス、君は警護官に王位継承権を振り翳し、ゲートを強引に通り抜けた。担当者は君を通過させた責任を取らなければならない」
「いやだわレイ、さっきのようにベスと呼んでちょうだい。彼には気の毒なことをしたわ。でも、わたくしはちゃんと言ったのよ。止めたければ力ずくで……と」
エリザベスは開き直った顔で言い始める。
「わたくしは嘘をついてはいないわ。アーロンのこともそうよ。あなたと話し合う必要があると思ったの。お父様やソーヤがプリンスと認められたのなら、アーロンだって。それを王女の息子として“サー”の称号と王位継承権第14位だなんて。あんまりだわ、レイ」
レイは大きく息を吐く。
「エリザベス、君の希望に応じてアーロンのDNA鑑定を再度行った。結果は今日届き、君のお父上と話し合ってきた。その内容はお父上から聞くといい。さあ、車を待たせている。すぐに出て行くんだ」
「レイ……大事な話があるの。そんな他人行儀なことを仰らないで。お願いよ」
それはティナとふたりきりのときとはまるで違う……エリザベスは従順かつ艶のある声でレイに泣きついた。
だが、レイの表情は硬く強張ったままだ。
「エリザベス、君は警護官に王位継承権を振り翳し、ゲートを強引に通り抜けた。担当者は君を通過させた責任を取らなければならない」
「いやだわレイ、さっきのようにベスと呼んでちょうだい。彼には気の毒なことをしたわ。でも、わたくしはちゃんと言ったのよ。止めたければ力ずくで……と」
エリザベスは開き直った顔で言い始める。
「わたくしは嘘をついてはいないわ。アーロンのこともそうよ。あなたと話し合う必要があると思ったの。お父様やソーヤがプリンスと認められたのなら、アーロンだって。それを王女の息子として“サー”の称号と王位継承権第14位だなんて。あんまりだわ、レイ」
レイは大きく息を吐く。
「エリザベス、君の希望に応じてアーロンのDNA鑑定を再度行った。結果は今日届き、君のお父上と話し合ってきた。その内容はお父上から聞くといい。さあ、車を待たせている。すぐに出て行くんだ」