アジアン・プリンス
(8)愛する君と共に(最終話)
綺麗事だけではない。即位したばかりのレイにとって、スキャンダルや揉め事はできる限り避けたいはずだ。
チカコやソーヤの気持ちを考えながら、新たに弟となったアーロンのことも心配している。
レイはいつもひとりだ。
悩みや苦しみを誰にも言わず、すべてひとりで解決してきた。これからはせめて傍にいてあげたい、ティナはそう思っていた。
レイにもそれが伝わったのだろう。彼は船のエンジンを止め、アンカーを下ろす。
「アーロンのことは心配いらない。彼が成人に達したとき、彼の意思で将来を選べるように手配した。アーロンの不利益になるようなことはしないさ。彼は私の弟だ」
レイはティナの腰を抱き寄せた。そのまま膝に抱え上げ新婚に似つかわしいキスを続ける。レイの唇は実に簡単にティナの体に火を点けた。
「レイ……キャビンに行きましょう。ここじゃ……」
「素敵なサンドレスだ。確かにここで脱がすわけにはいかないな。でもクリスティーナ……脱ぐのはこの奥の1枚だけでいいんだよ」
ティナの身体から、レイはシルクを1枚だけ剥ぎ取る。
そして操舵席に座ったまま、レイはティナを上に乗せた。サンドレスのスカート部分に、ふたりの重なった部分は隠れる。その瞬間、ティナの指がレイの腕に食い込んだ。
「ティナ、苦しいかい?」
「だい、じょうぶ。でも……怖い」
「いい子だ。私に抱きついていればいい。辛いときはすぐにやめるから」
「いや、レイ。やめないで。やめちゃイヤ」
チカコやソーヤの気持ちを考えながら、新たに弟となったアーロンのことも心配している。
レイはいつもひとりだ。
悩みや苦しみを誰にも言わず、すべてひとりで解決してきた。これからはせめて傍にいてあげたい、ティナはそう思っていた。
レイにもそれが伝わったのだろう。彼は船のエンジンを止め、アンカーを下ろす。
「アーロンのことは心配いらない。彼が成人に達したとき、彼の意思で将来を選べるように手配した。アーロンの不利益になるようなことはしないさ。彼は私の弟だ」
レイはティナの腰を抱き寄せた。そのまま膝に抱え上げ新婚に似つかわしいキスを続ける。レイの唇は実に簡単にティナの体に火を点けた。
「レイ……キャビンに行きましょう。ここじゃ……」
「素敵なサンドレスだ。確かにここで脱がすわけにはいかないな。でもクリスティーナ……脱ぐのはこの奥の1枚だけでいいんだよ」
ティナの身体から、レイはシルクを1枚だけ剥ぎ取る。
そして操舵席に座ったまま、レイはティナを上に乗せた。サンドレスのスカート部分に、ふたりの重なった部分は隠れる。その瞬間、ティナの指がレイの腕に食い込んだ。
「ティナ、苦しいかい?」
「だい、じょうぶ。でも……怖い」
「いい子だ。私に抱きついていればいい。辛いときはすぐにやめるから」
「いや、レイ。やめないで。やめちゃイヤ」