アジアン・プリンス
ティナは一気に目が覚めた。レイの言葉の意味がわかったからである。

頬が熱くなり、レイに裸の胸に顔を埋める。


「いやだわ、もう。こんな……いやらしい冗談を言う人だなんて思わなかった」

「私も男だよ。“いやらしいこと”は大好きだ。 だが、エリザベスも他の誰も、私の口から“君の中は素晴らしい。いつまでも繋がっていたい”なんて言葉は、聞いたことがないだろう」


レイはくすくす笑いながら、わざとセックスを想像させる冗談を言い続けた。 


「もうっ! 信じられない。高潔なプリンスだと思っていたのに……」

「それは残念。王妃のもたらす愛と官能に、見事に堕落した王様だ」  

「レーイ、いい加減にしてちょうだい!」

「君が悦んでくれるなら、足下にひれ伏すことも厭わない。そんな私は嫌いかな? クリスティーナ」


ティナの抗議を軽く無視すると、彼女の脚をソッと撫で始めた。その指の動きは、初めて愛し合ったときを思い出させて……。


「嫌いじゃないわ。あなたも……それにああいうことも」


ティナの消え入りそうな返事に、レイはアズル・ブルーの瞳を輝かせて微笑んだ。


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