モノクロな僕と君
テーブルに作った朝ごはんを置いていると、扉が開いたのに気が付いた。
顔を上げると、やっと起きたらしい彼女が部屋の様子を窺っているところだった。
「目が覚めたか。」
彼女の背に向かって声をかけると
「きゃ!?」
ビックリしたらしい彼女は小さな悲鳴を上げて俺を振り返った。
(・・・)
眠ってた時には気付かなかったけど彼女は瞳が大きく、可愛らしい顔をしていた。
(ストレートの黒髪も綺麗だし、清楚系の白が似合いそうだ。でも和服も似合いそうだな・・・)
ついいつものくせで相手に似合う洋服を頭の中で描き、スケッチブックに描き残したい衝動にかられていると、
ふと、視線を感じた気がして彼女の方を見る。
どうやら彼女も俺の観察をしているらしく、大きな瞳でじっと見られていた。
その純粋な視線に居たたまれなくて、
「腹、空いてるだろう??」
「さっき部屋から腹鳴ってるのが聞こえた。」
と話題転換でウケを狙って言ってみたのだが、
「え!?!?」
と裏返った声と真っ赤になって俯いた彼女を見る限りどうやら本当に鳴っていたみたいだ。
「ぶはっ!!」
そう思うとつい俺はこの状況の中で吹き出してしまった。
(あ、やべ。ウケ狙いで言ったってバレたな)
案の定、顔を真っ赤にしながら
「な・・・嘘ついたんですか!?」
と怒鳴ってきた彼女を俺は不覚にも、
“面白い子だ”と関心を持ってしまったんだ。