モノクロな僕と君


「え??私に似合いそうな服??」

つい聞き返してみると、

「そ。俺ファッションデザイナーしてるからさ、つい相手に似合いそうな服を頭の中で描いてスケッチブックに記録を残したがるんだよね。」

と苦笑しながら言った。

(ファッションデザイナー・・・)

「・・・モデルかと思った。」

「え??」

聞き返され、自分がつい無意識に言葉を言ったことに気が付いた。

「あっ!!ごめんなさい!!・・・モデルしてそうな感じだと思ってたんでつい・・・」

慌てて謝罪すると、彼は小さく笑いながら、

「君の瞳はどうやら僕を美化して映すみたいだね。」

と言った。

(いやいや、ホントに美しいんですって!!だって苦笑してる顔さえ絵になってしまうし)

心の中でツッコミながら、美味しい料理の数々を頬張っていると、ふと彼が思いだしたように、

「そういえば、まだ名前聞いてなかったよね。名前、何て言うの??」

と聞いてきた。

「あ・・・えっと、佐々木 白愛(ささき はくあ)です。」

「はくあ・・・」

彼の形の良い唇に名前を呼ばれついドキッとしてしまう。

「白い愛って書いて白愛です。」

「へぇ・・・綺麗な名前だね。君にピッタリだよ。」

ニッコリと笑って名前を褒めてくれたが、どこか冷めた感じの声音につい返答に詰まる。

「ありがとうございます。あの・・・」

プルルルルル・・・

あなたの名前は??と聞こうとした時、電話の鳴る音が響き、ちょっとごめんと彼は電話を取りに席を立ってしまった。

(名前聞きそびれちゃった・・・)


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