モノクロな僕と君
「食べ終わったみたいだね。」
席に戻った俺が声をかけると、彼女は美味しかったです。と笑顔を見せた。
(・・・これからは笑う余裕さえなくなるだろうな)
台所に皿を片付けに行きながら、そんなことを考えていると、
「あの・・・」
と言いにくそうに後ろから声をかけられ、振り返る。
「ん??」
「お皿は私が洗います!!」
「え??いや、いいよ。座ってて。」
「いいえ!!一応女子なんで私だって出来ますから!!」
(・・・いや、別に女子ってのは疑ってないけど・・・)
変な対抗意識につい脳内でツッコミを入れてしまう。
(まぁ、そんなにやる気満々なら止めないけど。楽できるのは俺だし??)
「あーじゃあ頼むね。」
「はい!!」
俺はスポンジとかを彼女に渡すとソファに向かった。
ソファに腰かけて向かいのテレビの電源を入れる。
チャンネルを変えていると丁度父さんが[G.M.P]の新作の服の発表をしてるところだった。
父さんの隣には新作の洋服を着た男性と女性が立っている。
もちろんそのモデルが着ている洋服は俺が描いたデザイン。
(・・・自分の作品だと堂々と言える父さんの神経を疑うよ。)
気分を害した俺は、チャンネルを変えようとリモコンを手に取った時、
「わ、素敵な新作の服ですね。」
皿洗いを済ませたらしい彼女が俺の隣に座りながらテレビを見てそう言った。
「そう思う??」
「はい。女性の方なんてすっごい可愛いです!!どこのメーカーの新作ですか??」
(・・・)
「[G.M.P]の。」
「-・・・」